4年越しの複合企業解体:Cevianが突きつけた「選択と集中」
ABB Ltd × Cevian Capital(2015-2019年)
① 会社概要
ABBはスイス・スウェーデン系の重電・産業機械大手。送電網から産業用ロボットまで幅広く手掛ける複合企業で、事業の広さゆえに「コングロマリット・ディスカウント」を抱えていた。
② アクティビストの登場背景
2015年、欧州最大級のアクティビストCevian Capitalが株式を取得。中核でないと判断したPower Grids(送電網)事業の分離を軸に、ポートフォリオの簡素化とロボティクス・自動化への集中を求めた。
③ 会社・取締役会の対応
ABBは当初慎重だったが、Cevianの粘り強い対話の末、2018年にPower Grids事業を日立へ約110億ドルで売却することで合意した。
④ 結果と評価
ABBは複合企業から自動化・ロボティクスに特化した企業へと姿を変え、株価も上昇(局面で+12%)。数年がかりの関与が構造転換に結実した。
⑤ 日本の経営者・取締役への示唆
アクティビストは「今期の配当」だけを見ているのではない。Cevianは4年をかけて事業構成そのものを組み替えた。多角化した日本企業にとって、「シナジーがある」という説明は、各事業が単独上場より高く評価されていることを数字で示せて初めて通用する。説明できなければ、外部が解体案を持ち込む。
⑥ 出典
公開報道(CevianのABB株取得と、Power Grids事業の日立への売却、2018年)